2014年12月25日（木）
カテゴリー：３つの教育の柱の取り組み
その時間、その手間、その汗、その涙を惜しまない
店に出向かなくてもインターネットで選んだ商品が配達される。USBケーブルをつながなくてもWi-Fi対応のプリンタがあれば印刷できる。どこにいても誰とでも連絡が取れて、共同作業さえできる。居ながらにしてできることはたくさんあって、例を挙げればきりがない。
便利で快適な暮らしを求めて止まないこの世の中、「こんなことができたらいいな」が当たり前にできるようになる、そんな世の中にどっぷりつかっていると、「手軽に」「効率よく」できないことにイライラしたり、すぐにできないとやる気を失ったりする。残念ながら自分に関わること、つまり「こんな自分になりたい」「こんなことができるようになりたい」という願いはそう簡単には叶わない。「もうやだ！」「もう無理！」「もういい！」…こんな言葉を耳にすることが多くなった。
身を置く環境に大きな影響を受ける私たちではあるけれど、便利で快適な生活に浸かって自分を見失わないようにしたい。「人間」である私たちは、無駄に思えるような失敗を積み重ねながら、経験を通してより良い「自分」を作る生き物だという自覚を持ちたい。
「こんな自分になりたい」「こんなことができるようになりたい」…そんな願いを叶えるのは自分自身だし、願う自分を作り上げるのには時間がかかる。でも、その時間を、その手間を、その汗を、その涙を惜しまず誠実に取り組めば、願う自分に近づくことができる。この営みが本校の建学の精神「誠心一筋に生きる」姿につながると考えている。 （教員ＩＹ）