理科探究論文集(第3巻)が完成しました!
中学2年生の理科探究授業の仕上げとして、各自が論文を書き上げ論文集ができあがりました。A3版50ページを超える冊子、一人ひとりがあれこれ試行錯誤の末にようやくたどり着いた論文、冊子を手にすると、感慨深そうにまず自分のページを開いていました。
以下に、論文集の巻頭言を借りて理科探究論文集を紹介します。
自分が関心をもつテーマについて、自分の問いを自分で考えた方法で実験し、自分なりの結論を得る、これが理科探究の一貫したスタイルです。今年で3年目になり、論文集も第3巻となりました。
一年前、実験を始める前-つまり実験方法を考えるはるか手前-、まず自分が関心と興味をもつことを考えることが探究のスタートです。関心があることとは何? そもそも自分に興味のあることってあったのか・・・ いわば「自分探し」から始まる生徒も少なからずいたように思います。
理科探究では、インターネット利用を禁止しています。本や資料から要領よく知識を集めることも認めません。世間にあふれる情報を体裁よくまとめるレポートは問題外。自分で試行錯誤を重ね、根気よくデータをとり、できれば工夫して測定器具を自作し、自力だけで「未知」という相手に挑んでいく・・・その過程が理科探究です。実験材料や実験方法を見つけ出すまでにずいぶん時間がかかります。その取組みの到達点として、たった一行でも「わかったこと」が書ければ十分です。そして、「まだわからなかったこと」を自分の取組みから見いだすことができれば、それは「科学」そのものなのです。
今年の中学2年生は、こつこつと実験を積み上げる生徒が多いと思いました。生徒たちの実験ノートに記された数値や表は、相当なページになっているはずです。反面、長い期間の取組みをまとめることにかなり苦労した生徒が見られました。できあがった論文集を見ると、取り組んだ内容が十分に表現できなかった生徒もいました。たくさんの記録を取捨選択してまとめること、自分の文章でそれを他者にわかりやすく表現することが、いくぶん難関だったようです。
振り返ってみると、「テーマ→実験内容の検討→実験方法の考案→実験の改善」の流れはこれまでの学年と比べかなりスムーズに運んだように思います。内容も先輩たちをしのぐ力作がたくさんあります。中学生が取り組んだ「科学」がこの冊子にたくさん詰まっています。どうぞゆっくりお読み下さい。
今週は探究の発表会が2年生の各クラスで行われます。そして、来週は次年度取り組む予定の1年生に対して、2年生の選抜メンバーが論文を発表することになっています。