3年生理科 ニワトリ解剖実習
卒業も間近な3年生は、恒例のニワトリの解剖実習を行いました。10人ほどのグループごとにニワトリ1匹と先生がつきます。これまでの理科・生物分野の総まとめとして行います。
まずクラス全体に、先生が「命を頂いて勉強させてもらう」ことや実習の目的を話します。クラス一同うなづきながら聞いています。 [写真① まだ遠巻きにしています]
注意事項のあと、まず外観の観察と測定から。精肉前のニワトリを見るのは全員が始めて。少し不気味に感じる生徒もいます。ハ虫類と似ているところ、ほ乳類と似ているところなどをチェックしていきます。
そしていよいよ体を開きます。先生の手によって、胸筋・肋骨(ろっこつ)がはずされ、だんだん見えてくる内臓に生徒たちの視線が集中していきます。内臓は意外にカラフルで、見知ったはずの内臓一つ一つに引き込まれます。 [写真② 内臓が見え始めました ]
先生の説明は、2年生時の動物学実習で学んだゴリラの頭骨の特徴だったり、授業で扱った基本の確認だったり、さまざまな知識や視点を次々に思い出させてくれます。生き物のすばらしさを改めて実感する時間です。[写真③ 皆、真剣に見入っていますね]
次は、生徒自身がメスや解剖ばさみを使い、細部の解剖と観察を行います。生徒は自由に器官を選び、細かく解剖しながら各器官のつくりやはたらきを見いだしていきます。ニワトリの消化管のはたらき、関節と筋肉・腱の関係など、思いついた実験をしながらゆっくり生命と向き合う時間です。 [ 写真④ 各自が解剖を始めました]
ニワトリまるごと一羽を使い、全身の体のつくりから内臓一つ一つまでを観察することで、生命が作り出した構造とはたらきのすばらしさを感じてもらうための実習です。
それまで「食用肉」としか見ることがなかった「鶏肉」が、骨につながり体を動かすための筋肉であること、名前とはたらきを暗記するだけだった内臓が、お互いにつながり生命を支えるかけがえのないものであること、「生命」が作り出す「身体」の奥深さ。
今年の三年生たちも、この実習で知識と体験だけでなく生命の重さに気づいてくれたと思います。いつも以上に丁寧に実験机と実験道具を清掃していました。 (教員 YH)