【言語】2021 夏休み前集会スピーチ 「先人たち灯」
本校では、言語力の育成のため毎日朝のホームルームの時間に、順番に一人ずつ1分間スピーチを行なっています。スピーチをするまでには、主張点や考えの根拠、話す順序を整理するなど様々な準備をして臨みます。
全校集会では、各クラスで評価が高かったスピーチが披露されます。
今回は、その中の一つをご紹介します。
『先人たちの灯』
三輪 ゆめのさん<多治見市立南姫小学校>
林先生の「今でしょ講座」という番組で仮面ライダーが50周年を迎えたという事で特集が放送されていました。
仮面ライダーは、世代を超えて愛されていますが、凄すぎる、今では考えられない『昭和ライダー』が紹介されていました。ゴンドラに生身でぶらさがったり、崖ではギリギリの場所で戦っていたり。危険な撮影に安全という概念がぶっ飛んだ時代に震えました。
当時の俳優は死を覚悟していたワケです。現代では、CG満載で安全に撮影されています。彼らから見たら今のヒーローは甘やかされているように見えるのかも知れません。ヒーローの撮影方法だって変わっても良いと思いますが、先人たちの死ぬ気の頑張りが、灯が、今のヒーローたちの安全に繋がっているのだと思いました。
命を張って死んでしまったら終わりです。そして、放送も終わってしまいます。安全に60年、100年と続いていくことを願います。
昭和の無茶な撮影は、評価はしても参考にはできませんが、独特の「雑」さには、魅力があります。
強固な体を持つヒトデの怪人は、ライダーキックが全く効かない強者です。しかし、水に弱く、最期は水に濡れて、まさかの自滅です。大幹部のカニの怪人の奥の手は、大幹部なのに、自らの甲羅を割ってそれをただただ投げつけるという、しょぼいものです。
現場は命懸けなのに、それに反比例した「ダサ」さは魅力的です。今の特撮との違いは、この腹筋が壊れるほどの笑える「ダサ」さなのだと思いました。
日本の子供たちは、ヒーローの背中に憧れ、ヒーローを志し、そして、次の世代がその背中を見て、ヒーローになる。ヒーローの心は続いていきます。
私達はやがて、社会人となります。そして、いろいろな場面で、自分の戦いをしなくてはなりません。
仮面ライダーに限らず、ブレることなく、真っ直ぐな背中は、誰かの勇気になるかも知れません。